今年の統一現場閉所日は?-九州・沖縄ブロックの取り組み-
統一現場閉所日はなんのため?
先日、九州地方整備局より令和4年の統一現場閉所日が発表されました。
まず統一現場閉所日とは何でしょうか。
統一現場閉所日とは、九州・沖縄ブロックにおいて、公共工事の現場を一斉に休みにする日を定めたものです。
つまり建設業に従事する人たちにとっての統一の休みとなる日のことですね。
この九州・沖縄ブロックの統一現場閉所日については、令和3年より設定されるようになりました。
昨年、11月6日(土)がその日でしたので、私のいる会社の行っている現場もその日は休みにしました。それ以前は、働き方改革の取り組みとして、九州内でも各県が独自に現場閉所日を定めていました。
例えば表のように、福岡県、佐賀県、熊本県、鹿児島県については、1年のうち1日を閉所日として定めていたのに対し、その他の県では、毎月第2・4土曜日など、毎月の閉所日を設定していました。
昨年の統一現場閉所日は11月の第一土曜日だったので、第1土曜日となっていて他の県の設定している閉所日とっ異なっていました。
そのためか、今年の統一閉所日は、8月の第4土曜日と11月の第2土曜日に設定され、全県の閉所日と共通となっています。ようやく九州・沖縄ブロックの統一感が出た感じですね。
で、実際に昨年の統一閉所日の実施率はというと、回答が得られた346件のうち321件で実施したとのことです。92.8%の実施率となっており、業界のみなさんの関心の高さを感じますね。
こういった取組みというのは基本的に強制はできません。だからこそ、それぞれの企業の働き方や次世代の担い手確保、つまりは業界としての未来への意識が重要になります。
業界ならではの難しさはもちろんあります。建設業界においては災害発生時の緊急的な工事などもありますし、年間を通しての発注の波や工期の問題、さらに天候にも左右される業種であるため、一律に休みを決めることはやはり困難です。
ただ、だからと言って初めから出来ないと言っていたのでは、将来はないと思います。難しいなりにできることを常に考えて実行してみることが必要だと思います。
背景にあるのは、厳しい現状
ではなぜ、昨今このような取り組みが加速しているのでしょうか?
そこにはやはり、建設業界の抱える『長時間労働』と『休日の少なさ』という問題があると思われます。
上の資料をみてもわかるように、建設業の長時間労働と休日の少なさは他の産業に比べて突出しています。
年間の実度労働時間では全産業の平均よりもなんと300時間も長いという結果が出ています。これはちょっとどうにかしなければならないと思いますよね。まず将来の就職先を考える時にこのデータを見たら、プラスに働くことはまずないでしょうから。
その分大幅に給料が高いというのであれば話は別ですが、1年間で仕事に従事する時間が300時間も違うとなると、仕事とプライベートの両立という面でもマイナスイメージでしかありません。
また休日についても建設業全体の数字では、4週4休以下が4割を超えており、4週8休が取れているのは全体の1割にも満たないというのが現状なのですね。
現在働き方改革が強く叫ばれており、多くの企業が労働時間や労働環境、休日などの改善に取り組んでいます。
様々な情報を誰でも知ることができるようになったことに加え、多様な働き方が可能になった今、労働環境やワークライフバランスの充実は将来的な働き手の確保において必須となりつつありますね。
建設業の終わりと始まり
建設業についてマイナスなイメージばかりになってしまいましたが、建設業は素晴らしい仕事です。
そして、建設業は私たちの安全・安心で便利な暮らしにとって、そして災害大国である日本にとって必要不可欠な仕事です。
これまで培ってきた技術で、これからの日本を作っていく歴史ある仕事です。
ただ、これまでの建設業はそろそろ終わりです。
今は、社会の様々な変化に対応し、持続可能な社会を作っていく新たな建設業の始まりの時だと思います。
男性も女性も、若者もベテランも、仕事だけに打ち込みたい人も自分の時間を充実させたいと考える人も、どんな人でも働きやすい環境づくりに取り組み、尚且つこれまでの技術を継承し、これからの技術を発展させる。
まだまだ課題は多いと思いますが、一つ一つ解決し、みんなで建設業を未来へつなげていく努力が必要だと思います。
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